スペシャルインタビュー 高校魅力化コーディネーター 阿部宣行さん

未来を拓く小国高校の「地域に浸る講座」

高校を卒業してもずっと続く青春を

「“青春”は外国語に訳せない」
私が日本語教育に携わっていた頃、日本の高校教育について説明しながら気づいたことです。皆さんにとって青春とは、何歳から何歳で、どんな意味を持つ言葉でしょうか。
日本人の青春に対する概念、特に「高校3年間は燃え尽きなければ物足りないという感覚」は、他の国とは違いがあると思います。気になるのは、高校まではあらゆる分野で世界トップクラスの日本人が、大人になると自分の学びに使う時間が低下し続けているというデータです。
私自身、高校時代の部活は不完全燃焼でしたし、定期テストも赤点。青春を謳歌できなくて悔やんだ記憶があります。でもその代わり、大人との出逢いには恵まれました。世界に目を転じ、自分が果たすべき役割はあるかと自問自答する大人の姿に憧れたものです。海外で学んだり働いたりできる可能性を示していただき、好奇心の種はどんどん大きくなっていきました。「青春=未来のためにワクワクしながら学ぶ時期」と訳せるならば、何歳になっても青春はやってくることを肌身に感じています。
人生はお金や才能ではなく、どれだけ青春している大人と出逢えるかで決まると思います。小国高校のカリキュラムに組み込まれている「地域に浸る講座」は、小国町の格好いい大人たちに出逢いに行く授業です。高校生のうちに、大人たちと一緒に自分の理想を描いてみましょう。理想はそう簡単に実現できるわけではないですが、理想に向けて動き出すことが肝心。大人や仲間と学び続ける姿勢が身に付いたなら、高校を卒業してもずっと続く青春を過ごすことができるはずです。

高校生の感性きらめく魅力発信

「地域に浸る講座」は、情報化社会の波に呑まれず、自分の感性で生きていくための力を身につけることができます。それも、とびっきり楽しみながらです。
いわゆる田舎と呼ばれる地域に行くと「自分の地域は自然豊かだけど何もない」と話す人によく出会います。外国でも同様です。地域の魅力は今の時代、可視化されていないという課題があります。インターネットやテレビで取り上げられるのは、大都市の情報ばかり。都会に住んでいない人々は「自分の地域には魅力が何もない」と捉えてしまいがちです。私はこの課題に高校魅力化コーディネーターとして、小国高校生と取り組んでいます。
まだどのメディアも注目していない、地元民しか知らない魅力が、小国町にはゴロゴロ転がっています。そんな魅力をみんなで発掘し、忖度なしで発信しましょう。高校生の発見・感動・驚きは、どんなに小さなものであっても価値があります。広く発信できるなら、共感してくれる人が必ず見つかります。
好奇心を持ち、魅力を発信し、共感者を募る。実はこれ、大人になってからも青春を過ごしている方々が実践していることです。将来皆さんが就職したい場所でも、きっと求められる資質・能力です。未来を拓くための力を小国高校で、楽しみながら身につけましょう!

小国高校生が発信する小国の魅力いっぱいマガジン「Oguu」
http://www.ygt-oguni-h.ed.jp/生徒情報誌/

PROFILE

兵庫県出身のツッコミ担当。民間企業で営業職を経験したのち、国際協力・教育分野に転職。4ヶ国語+関西弁ユーザー。

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