『何もないなら自分たちで作ろうよ』
私は、小国町の大人たちから「楽しいこと」は自分で作るものだと教わりました。しかし、彼らはそのことをわざわざ口に出したりしません。ある人は豪雪をものともせずオリジナル雪遊びをやってのけ、またある人は、みんなも地球も喜ぶエシカルご飯を作る。またある人は教員なのに生徒より楽しむ。息を吸うように楽しみ、遊ぶように働く。キラキラした目でワクワクしている大人たちの背中が私に教えてくれました。
私はそんな大人に出会う前、楽しみはどこからともなく降ってくるものだと思っていました。そして楽しんでいる人を見て、羨ましく眺める日々を送っていました。
確かにこの町には、私の好きなたこ焼き屋もカフェも本屋も映画館もありません。電車も3時間に1本です。しかし小国町には、今日しかない一日を目一杯楽しむカッコイイ大人たちがたくさんいました。出会う人も学ぶことも、季節も何もかも、恨めしくさえ思えるドカ雪(※)すらも、変化する毎日の大切な一つとして楽しむことができるようになりました。
※短時間で大量の雪が降ること
世の中に知られていないことにスポットライトを当てて、世の人に知ってもらう。今のところ、私が一番したいことです。小国町には年に一回、再生エネルギーフェスティバルという催しがあります。エネルギーについて関心を持ち、知ってもらうことを目的として15年ほど前から開催されており、毎回小国町内外の方々が大勢訪れる大きなイベントです。その代表の方は、誰よりも楽しみ、誰よりも汗をかき、誰よりも責任を持ってやり遂げていました。「カッコイイ…」私も、自分の興味や関心に光を当てて、みんなを巻き込んで目一杯楽しんでみたい。そう思うようになりました。
私は1年間の留学を通して、やりたいことが選べないくらい増えて困っている、たいそう贅沢な状況になりました。もともと医療系専門学校に進学予定でしたが、行き先変更。今は4年制大学への進学を考えています。私のやりたいことは何なのか、自分にも社会に貢献できることがあるのではないか、自問自答の日々は続きます。そんな悩みも楽しんで、私も背中で語れるように、スポットライトを当てられるように、目一杯人生を味わい尽くそうと思います。
地域の大人と一緒に制作した「Oguni Walker」サイト
https://www.oguni-walker.com/